坐禪會に20年以上に渡って參禪された山下隆道居士が一昨年他界されました。その遺言による寄進をもって「開梆」(魚鼓)を坐禪堂に設置いたしました。隆道居士のご冥福をお祈りし「正法眼蔵坐禪箴」の言葉を獻げます。
「水淸徹地 魚行似魚」(水清くして地に徹す 魚行いて魚に似たり)
佛教では龍樹尊者が「空」を唱え「空」の思想を傳えてきた、という學説が一般的であろう。しかしながら龍樹尊者の「空」は果たして思想なのだろうか。
もとより佛教は「無我」である。もともと「私」という主語はないのだ。主語のないところに「思想」は成り立つはずがない。
龍樹尊者の「空」は「私」という主語から始まる世界、「私」が何かである、あるいは「私」が何かをする世界は「空=虚構」の世界だというのである。この何ものでもない「今」、この何ものでもない「私」に氣付いてみなさい、というのが佛教なのだ。
「空=虚構」の世界で言葉をもてあそぶのは言葉に翻弄されるだけである。それを續けていくのであれば佛教は永遠にわからないであろう。
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